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ドメインの再定義-ゼロックス社

1.  ドメインの再定義とは

企業が既存のドメインからさらに成長していくには、時代とともに変化する市場のニーズに適応していくためにも、ドメインの再定義や見直しが求められることになります。

創業まもない企業でない限りは、ドメインを一から定義することよりも、このような再定義を行う必要性のほうが高いといえます。

一方で、ドメインの再定義に成功した企業は残念ながらそう多くはありません。

また、ドメインの見直しにあたっては、シナジーや範囲の経済性にも焦点をあてることも求められます。

自社の限りある経営資源を有効活用するには、どのような範囲であれば適切かを見定めるためです。

しかしながら、これらを踏まえてドメインの再定義を行うことは実際には難しいといえます。

1.1   ドメイン再定義の事例:ゼロックス社

ここでは、ドメインの再定義の事例として、米ゼロックス社について紹介します。(詳細は、榊原[1992]を参照)。

ゼロックス社は普通紙複写機(PPC)の独占特許を強みとして、創業以来1970年代半ばまで成長を続けていました。

しかし、特許切れをきっかけとして、キヤノンなどの大手企業がPPC市場に参入し、ゼロックス社の地位が揺らぎ始めました。

これに対してゼロックス社は、総合情報システム企業への転換を図るべく「未来のオフィス」というフレーズで企業ドメインを再定義しました。

そしてこの実現に向けて、コンピュータ技術の獲得のために、買収に加え新たな研究部門や事業部の設立を行いましたが、惨敗に終わりました。

その後、ゼロックス社はこの「未来のオフィス」というドメインを見直し、文書の作成や複写などの事業にフォーカスした「ドキュメント・カンパニー」というドメインの再定義を再度実施しました。

1.2   ゼロックス社の考察

ここで、ゼロックス社の事例について考察してみましょう。

最初のドメイン再定義の際に掲げた「未来のオフィス」は、ゼロックス社にとってはコンピュータ技術とは疎遠であったため外部からの獲得を図ったものの、空間的および時間的に現状とは離れすぎていたことが、失敗の要因の一つといえます。

また、主力事業である複写機事業との関係性もあいまいな再定義を行ってしまったことも、大きな敗因です。

2.  まとめ

企業が既存のドメインからさらに成長していくには、時代とともに変化する市場のニーズに適応していくためにも、ドメインの再定義や見直しが求められることになります。

創業まもない企業でない限りは、ドメインを一から定義することよりも、このような再定義を行う必要性のほうが高いといえます。

一方で、ドメインの再定義に成功した企業は残念ながらそう多くはありません。

また、ドメインの見直しにあたっては、シナジーや範囲の経済性にも焦点をあてることも求められます。

自社の限りある経営資源を有効活用するには、どのような範囲であれば適切かを見定めるためです。

しかしながら、これらを踏まえてドメインの再定義を行うことは実際には難しいといえます。 したがってドメインは現在の企業や事業の領域だけでなく、将来への広がりや発展性を含めたものにな

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